日時:平成26年9月17日(水) 午後3時~5時
場所:衆議院第一議員会館 大会議室 (地下1階一番奥)
演題:臨死体験・生まれ変わり・神秘体験・霊媒現象・他
-脳は心を生み出さない:唯脳論から脳濾過装置論へ-
おおかど まさゆき
講師: 大門 正幸 氏 人文学博士(アムステルダム大学)
中部大学大学院国際人間学研究科・全学共通教育部 教授
米国バージニア大学知覚研究所 客員教授
国際生命情報科学会(ISLIS) 常務理事、人体科学会理事
http://ohkado.net
Society for Psychical Research会員、Society for Scientific Exploration会員
内容
2010年の日本公演でのこと、グザヴィエ・ドゥ・メストレのハープの弦が切れるというハプニングがありました。いくら天才ハーピストでも、弦の切れたハープでいつもの華麗な演奏を続けることは出来ません。弦の張り替えのために、しばし演奏は中断となりました。完璧な演奏には完璧な状態の楽器が必要、そのことを疑う人はいないでしょう。 私達の脳と心の関係も、この楽器と演奏家の関係のようなものではないでしょうか? 調弦の狂った楽器からは、まともな音楽が生み出されないように、ダメージを受けた脳からは、正常な意識活動が生み出されないように見えます。しかし、それはあくまで脳の問題であって、心の本体は演奏家同様、なんら影響を受けていないのではないでしょうか? 20世紀の心の科学の主流派は、人間の心を脳の活動によって生み出されるいわば副次的なものと考えてきました。この「唯脳論」は、心不在の歪んだ人間観を生み出し、現代が抱える多くの問題の根源になっているように思われます。 一方、アメリカ心理学の父と呼ばれるウィリアム・ジェイムズや、精神研究協会の設立に携わったフレデリック・マイヤーズらは、脳の働きを、広大な意識を絞り込む一種の濾過装置と考えました。 本講演では、臨死体験や生まれ変わり現象、神秘体験、霊媒現象といった諸現象に関する研究成果を紹介し、脳を一種の濾過装置と見なす人間観が必要であることを示したいと思います。
講師自己紹介
1963年三重県生まれ。大阪外国語大学卒。 名古屋大学文学研究科修了。 言語研究・英語教育に携わる一方、「意識の死後存続」や「生まれ変わり」現象の研究を通して人間の意識や、心の問題の探究を続けている。著書に、退行催眠中に本人が知らないはずの言語を話す異言現象について報告すると同時に、21世紀のスピリチュアリティ研究構想について提案を行った『スピリチュアリティの研究~異言の分析を通して』(2011年、風媒社、人体科学会 湯浅賞奨励賞受賞)がある。また池川明氏との共著 “Children with Life-Between-Life Memories”をはじめ、臨死体験や過去生の記憶を持つ子供に関する論文を多数執筆。映画『かみさまとのやくそく〜胎内記憶を語る子どもたち〜』(荻久保則夫監督)出演。