日時:平成24年3月15日(木) 午後3時~5時
場所:衆議院第一議員会館 大会議室 (地下1階) 予定
演題:人類が共に平和に生き続けるために-仏教経済学と実践からの一提言-
さいとう だいほう
講師 斉藤 大法 氏
http://mahadharma.jimdo.com/
四方僧伽メンバー、僧侶、医師
内容
世の中が行き詰り・閉塞感が続くような時や劇的な変化を遂げようとする時には、それまでの常識というものに固執することから離れて考えてみることが有効で大切な場合があります。何故ならひとつのことに執着するということは、そこに精神的な縛りが生じ、自在性を失ってしまう。自在性を失うということは、創造性を損なうことであり、未来への可能性を狭小化してゆくことに通じるからです。
このたび原発の安全神話は、脆くも崩壊しました。同様に経済成長の持続が絶対である、ということがどうして言えましょう。
経済成長神話、それは恐らく、現在のような地球環境問題、資源の枯渇等々の問題が顕在化する以前に於いては、ある種正しいパラダイムであったと言えましょう。しかしながら、上述の諸問題がのっぴきならないところに至った現代においては、経済活動そのものの中に明確に考慮されなければなりません。
さらに競争の激化、貧富の格差、精神疾患や自殺の増大、先進国或いは一国の成長がもたらす南北格差などの他国への影響等を考慮するならば、成長神話そのものを根本的に見直してみる必要があると考えます。
そして、一部の人々や国家に富が集中するのではなく、世界全体が共生し、しかも平和に(幸せに)存在し続けるパラダイムを創造し、実現することが、他国の人々の為のみならず、自国の未来の人々のためにも切望されるところです。
私は、経済学の専門家ではありません。ただ経済学の底辺に流れる根本思想については、少し言及することは出来るかと存じます。今回は、主に東洋の叡智なかんずく仏教・仏教経済学の立場から過去・現在の経済思想を見直し、ならびに将来のパラダイムについて少し触れさせていただき、アジアにおける仏教経済的実践モデルをご紹介したいと思っております。
講師自己紹介
1958年生まれ。浜松医科大学医学部医学科卒。浜松医科大学医学部付属病院勤務。
「医師になる以前の基礎としての人間形成」の重要性を考えたが、医学部時代にはその道を見つけることは出来なかった。その後、仏教とその修行に見出し、大学病院を辞し出家。
「アジアを中心とした22か国に於いて、寺院を中心とした共同体のネットワークを超国家的に形成することにより経済のグローバリゼーションとバランンスする」という四方僧伽運動に参加。カンボジアの妙法華院に赴任。帰国後、僧侶としての立場から医療、環境、経済問題等に関わっている。