日時:平成24年1月19日(木) 午後3時~5時
場所:衆議院第一議員会館 大会議室(地下1階) 予定
演題:社会の破滅を止めるブッダの智慧-お釈迦様のリーダーへの教えを学ぶ-
講師 アルボムッレ・スマナサーラ 氏
Ven. Alubomulle Sumanasara Nayaka Thero
スリランカ上座仏教(テーラワーダ仏教)長老
(宗)日本テーラワーダ仏教協会 指導者
http://www.j-theravada.net/
内容
東日本大震災と東京電力の福島第一原発の事故に見舞われ、安定した社会と言われていた日本が大きな不安に覆われています。政府の言葉は信用を失い、人々は疑心暗鬼のなかで暮らしています。国民と政治家の間で信頼関係を結ぶために、国民と政治家が協力しあって生きるために、どうすればよいのでしょうか。
お釈迦さまの時代、インドは独裁的な王に支配された超大国が台頭し、民主主義的な合議制で運営される部族国家を呑み込んでいました。お釈迦さまはワッジー国という民主主義の国のリーダーたちに向けて、国民と政治家が仲良く団結しているならば、民主主義国家は決して衰退しないと、「社会を長く平和に保つための七ヶ条の教え」を説きました。出家する前、釈迦国という民主主義の小国の王子だったお釈迦さまは、民主主義的な国々の行く末を心配していたのです。
精神の安らぎを説くお釈迦さまは、出家が政治活動に口をはさむことを禁止しました。しかし王政であろうが独裁制であろうが民主主義であろうが、政治体制にかかわりなく、政治家が国民の平和と繁栄のために努めるのは当然の義務だと思っていたのです。ブッダの考えによると、国民の幸福より先に自分の権力を考えることは、悪徳政治家の証拠です。転輪王という伝説上の統治者について語った他の経典では、正しい政治家のあり方が説かれています。
無常でつねに動揺し続ける世界で、国を平和に保ち人々の暮らしを豊かにするためには、政治家にも国民にも、どんな苦難も乗り越えられる智慧が必要です。二六〇〇年前のリーダーたちに向けて説かれたブッダのアドバイスは、どんな世界のどんな時代の政治家にも、役に立つ宝物なのです。
講師自己紹介
スリランカ上座仏教(テーラワーダ仏教)長老。1945年4月、スリランカ生まれ。13歳で出家得度。スリランカの国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭をとった後、1980年に国費留学生として来日。駒澤大学大学院博士課程を経て、宗教の枠を超えた「いま・ここ」に生きる道としてお釈迦様の教えを紹介する講演・瞑想指導などを続けている。
NHKテレビ・ラジオ「こころの時代」にたびたび出演している他、TBS開局50周年特番『人間とは何だッ……!?』(司会:養老孟司氏)、CS朝日ニュースター『宮崎哲弥のトーキングヘッズ』などの教養番組にも出演。東京・横浜・大阪・札幌など各地の朝日カルチャーセンター講師も務める。
著書には『怒らないこと』、『怒らないこと2』、『恐れることは何もない』、『心がフッと軽くなるブッダの瞑想』、『希望のしくみ』(養老孟司氏との対談)、『仏教と脳科学』(有田秀穂氏との対談)などがあり、出版点数は100冊以上にのぼる。